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属人化には、しくみ構築と教育
特定の人物に業務が集中していたり、特定の担当者しか業務内容を理解しておらず、他のメンバーには代わりができない状態が属人化です。
組織全体で業務共有し、誰でも対応できる状態に変化させなければいけません。
まずは、何がどう間違って属人化が進んでしまったのか?
原因を特定してから、じっくりと対策を考えましょう。
比較的歴史を持った企業ほど、属人化に悩むが向あります。
昭和、平成、令和と生き残ってきた、成功体験と密接に関係しています。
天才級のオールマイティー社員や、仕事命の昭和レジェンドが、長きにわたって日本企業を支えてきました。
苦労なく仕事を身に付けられる天才や、先輩の背中から学んできた昭和レジェンドにとって、仕事を教えることが苦手。
踏ん張りの効くレジェンド達は、自分が率先して動く事で、幾多の問題を乗り越えてきました。
1995年といえば、携帯電話もインターネットも珍しい時代です。
デバイスやソフトの進化に、昭和のレジェンド達がついて来れていないわけです。
世の中はここまで変わっているのですから、仕事の教え方も、覚え方も大きく変わっていなければ不自然です。
ガラパゴスとは素晴らしく(皮肉な)、的を得た日本の形容です。
時代を直視して、今も昔も、全てを体験してから客観的に比較して、今の良きところ、伝統の素晴らしさを比較して、本当に良い方を残すべきなのです。
多くのレジェンド達は、過去の成功体験、すなわちデバイスやソフトウェアが発達していなかった時代のそれが、唯一無二の方法だと思い込んでいます。
そんな彼らは、60歳定年を迎えても顧問として、あるいは嘱託として残り続けて、がむしゃらに働いてきました。
レジェンド達より年下の管理職達は、いつか来る筈の退職ラッシュに気がつかない振りをして、属人化問題対応を先送りしてきました。
最近の若者達は根性がない!!
最近の若者はやる気ががない!!
最近の若者は仕事を覚える気がない!!
そんな言葉で片づけながら、やがて来るエックスデー対策を怠ってきました。
もっと大きな問題は、嘘みたいに便利になった代物を、使おうともせず、学ぼうともせずに切り捨てる事。
前出の3D CADで言えば、現代の若者は大学で3D CADを使って学んでいる訳で、あらゆる技術計算も瞬間でできる機能を備えている。
それを否定して、関数電卓で計算しろと、のたまう訳です。
私たちヨウムは、ドラフターを使った手書き設計から、2D CADによる設計、3D CADによる設計までを経験し、15年以上の欧米での実務経験、外から日本を見るという貴重な経験をしてきたのです。
例えば、設計を伴う製造業の場合、一部でも青焼の図面が残っているのではないでしょうか?
CADで設計した図面は、プロッタ(一部はプリンタ)で出力しますから、青焼で図面を複製する必要がありません。
2D CADが復旧したのが1995年あたりですから、世の中的には遅くとも2000年には使わなくなった筈です。
PCの進化に伴って、2D CADが普及し、現在3D CADが主流になりつつあります。
手書きの図面や、2D CADで設計したものも、3Dで書き直した方が早いし、便利です。
それなのに、青焼の図面が現役で活躍していたり、64ビットの PCでは動かせない2D CADが使われています
欧米共に、沢山の移民が働く環境にあって、言葉も考え方も教育レベルも違う人材を使いこなさなければいけなかった訳です。
仕組みを構築しなければ、安全すらも担保できない環境に置かれて、沢山の工夫をしてきたのです。
言葉も、人材の質も担保された、一昔前の日本のスタンダードは、多様化する現在には通用しません。
今を受け入れる事。そして、先人から学ぶ事。
業務の可視化、標準化、マニュアル整備、そして教育システムの整備こそが、属人化回避に向けたフレームワークなのです。